大腸がん検診について
成人 胸部・腹部
新年度を迎えるにあたり、特定検診の受診時期を検討している人も多いかと思います。
大腸がん検診では異なる2日間の便を採取します。共に陰性の場合、「大腸癌は否定的」である確率(特異度)は約96%と高く、非常に有用な検査です。1回でも陽性の場合には大腸癌をはじめポリープや痔核・潰瘍・憩室・炎症性疾患などさまざまな可能性が考えられるため、大腸内視鏡検査などが検討されます。
では、意外と知られていない便潜血検査の特徴について説明しましょう。一般的に用いられる検査法は「免疫学的便潜血検査」といい、小腸以下の下部消化管に特化した反応を示します。そのため、口から胃の上部消化管における出血は反映されません。また、肉料理などの食事に含まれる血液にも反応しません。そして、鉄剤を内服している場合も、便は黒くなりますが検査に影響はありません。便秘の人は偽陰性になることがあり注意が必要です。
(2022年3月執筆)