歯を抜いたり削ったりしてはいけない(6)
口・歯 診療のこと
短期間矯正という治療法があります。「数日、数時間の治療でワイヤーの使用もなく完了、歯の色がより白くなる」といった広告やSNSを見たことはありませんか? これは歯科矯正治療ではなく健康な歯を抜歯したり、大きく削って(神経を取る場合もある)被せる、いわゆるセラミックを使った差し歯になるということなのです。
永久歯は小学生の頃に生え始めその歯を一生使います。普通に食生活をしているだけでも少しずつ削れますから、歯科医は極力削らずに治療をするべきなのに、この削る短期矯正は歯を弱くしているにすぎません。患者側の歯を美しく見せたいという気持ちはわかりますが、歯科医師側としておすすめできません。なぜなら再度の治療リスクが高くなるからで、後々に抜歯になったら他の歯もつられて抜歯になりかねません。歯を削る、抜髄、抜歯することを軽視してはいけないのです。
(2018年12月執筆)