
飛蚊症と網膜剥離について
目 診療のこと
青空や白い壁などを見たときに、半透明の小さな虫のようなもの、または糸くずや砂粒などが浮遊して見えることはありませんか? 形や大きさ、数はさまざまですが、すべて「飛蚊症(ひぶんしょう)」と言われる症状です。
飛蚊症は、眼球の中の小さな濁りが見えることによって起きる症状です。多くの場合は加齢に伴い自然に出てくる濁りであまり心配はいりませんが、網膜剥離などの病気が原因で起きる飛蚊症もあります。網膜剥離は網膜(眼球の内側にある光を感じる神経の膜)に穴があき、眼球の壁から内側に向かって剥がれてしまう病気で、網膜に穴があくと急激に飛蚊症が生じることがあります。網膜剥離は大がかりな手術が必要ですが、網膜剥離になる手前の穴だけの状態であれば、レーザー治療で網膜剥離への進行を防ぐことが可能です。
もともと飛蚊症があり急激に飛蚊症が増えたら、網膜に穴があいてしまったサインかもしれません。眼科で眼底検査を受けてみましょう。
(2025年3月執筆)
