
頭痛薬の使いすぎに注意
診療のこと 頭部・首・肩
頭痛の時に鎮痛薬は大変助かりますが、頭痛が頻繁に起こる人はついつい服用回数が増えてしまいがちです。これが多すぎると薬の効きが悪くなり、頭痛が起こりやすくなってさらに薬を飲んでしまうという悪循環が起こります。これは薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)と呼ばれます。
脳の中には痛みの感受性を調節するメカニズムが備わっていますが、鎮痛薬を繰り返し使うことにより、この調節機構に不具合を起こして痛みに過敏になってしまうことが原因と考えられています。腰痛などで鎮痛薬を常用している人にはこのような頭痛は起こらず、主に片頭痛を持っている人に起こるため、もともとの素因が関連している可能性があります。
治療は原因となっている薬を中止することですが、なかなか困難なことが多く、専門医を受診して頭痛予防の治療をすることをおすすめします。市販の頭痛薬の服用はなるべく月10日以内にとどめましょう。
(2025年7月執筆)
