
風邪に、抗生剤は効きません
感染症 薬
感染症を起こす病原体の代表がウイルスと細菌です。これらは混同しがちですが全く異なるもので、起こす病気も治療薬も違います。意外かもしれませんが抗生剤は細菌にしか効かず、ウイルスによる病気には全く効果がありません。そのウイルスよる病気の代表が「風邪」です。
「私の風邪は抗生剤しか効かない」など良く聞きますが、経験からくる思い込みでしょう。また風邪の時の黄色い鼻汁や高熱も、細菌による症状ではないことがほとんどです。抗生剤に害がないのなら良いのですが、不用意な抗生剤は、抗生剤の効きにくい耐性菌を増やしたり、良い働きをする細菌まで死滅させたりします。予防的な服用や念のための服用も意味がありません。ただし、肺炎など細菌が原因で、抗生剤が必要な病状も多々あります。その際、何十種類もある抗生剤の中から適切なものを選択するには、正しい診断と十分な知識が必要です。
(2025年10月執筆)
								












