
血液検査の考え方 (1)
ペット 血液・血管
動物病院で検査してもらおうと思ったら、まず最初に思い浮かぶのは血液検査ではないでしょうか。
動物の医療において、人と違って主訴となるものは自覚症状ではなく飼い主から見たものであるため、検査による客観的な情報の比重は大きく、視診・触診・聴診はもちろんですが血液検査も非常に有用です。血液検査は体への負担が少なく、病気を疑うときだけでなく、健康診断や麻酔前の検査でもよく行われます。
血液は赤血球・白血球・血小板・血漿から構成されています。赤血球は酸素を全身の細胞に運搬して二酸化炭素と交換し、白血球は細菌やウイルス、腫瘍細胞などと戦い排除する役割があります。血小板は止血の際など血液の凝固に関わる因子で、血漿には栄養や老廃物、酵素など体に必要な物質が溶け込んでいます。どれも生きることに欠かせない重要なもので、ここの数値を見て異常があるかどうかを考えています。
(2025年7月執筆)
