誰でも健康的な人生を送りたいと思っているはずです。医療従事者は人々が健康に生きるための手伝いをしていますが、歯科の場合でいうと、歯を削らないように・抜かないようにすることが一番大切であると、私は思っています。

　歯というのは生きているだけで摩耗する臓器です。生きることは、動植物から命をもらって体に蓄え、それをエネルギーにすることです。そのため「食べる」行為に使う歯は、いわば「健康の一丁目一番地」に当たります。それだけ歯を大切にすることは重要なことなのです。

　歯がなくなり入歯も入れずに食片を舌に乗せ上顎に押し付けて食べている人を診察したことがありますが、この患者さんは寝たきりでした。健康寿命と平均寿命がありますが、寝たきりの状態は決して健康的とはいえないので、そうならないように日々の診療を行っています。

　抜歯をしなければインプラントや入歯は必要なく、結果、医療費も削減できます。歯は大切にしてください。

（2024年2月執筆）