
こころの傷つきと怒り
心・精神
こころに傷を受けたひとが、傷つけられたことを自覚するに従い、傷つけた相手に怒りが湧いてくるのは健康な反応と言えます。自分に不自然に植え付けられた無力感や罪悪感から脱し、自分を力づけ、癒し、前進していくことにつながるからです。しかし一方で、他者を責め続けつつ、癒されず前進できないこともあります。親のせいでこうなった、自分の人生を返せ、と親を責め続けながら(それは正当であることも多いのですが)、自分のあり方や無力感と向き合えず、人生の歩みを進められないでいる状態などがそれにあたります。その違いは微妙なものですが、どのくらい自分の傷つきや無力感と向き合い、失ったものを受け入れて、前進していけるかによるのでしょう。それは非常につらいことです。しかしこうして自分のあり方を知り、受け入れ、自分に責任を負っていくことが必要なのでしょう。
(2025年4月執筆)
