当院でインプラントを行わない理由 (2)
口・歯 診療のこと
インプラントの利点の一つに、隣在歯を削ることなく喪失した部位を補綴(ほてつ)できるということが挙げられます。確かにその通りですが、インプラントは骨にねじ込む器具なので、どうしても骨を巻き込んでしまいます。そのため、インプラントは手術直後から歯周病と同じ状態になります。
インプラントが揺れないのは、深くねじ込むからに過ぎません。深くねじ込むということは、それだけリスク(神経の圧迫、骨の破壊、隣在歯を傷つける、上顎の場合は副鼻腔に落ち込む可能性がある)が高くなります。インプラントの手術はCTで顎骨を確認し、無菌化し、無菌室で適切な処置を行わなければなりません。どうしてもといった場合には大学病院を紹介していますが、本来、歯がある人にインプラントは必要ありません。
自身の体に勝るものはないため、大切にしてほしいとの思いで診療をしているので、当院ではインプラントは行っていません。
(2023年7月執筆)