前十字靭帯断裂
ペット 手足
前十字靭帯(じんたい)は膝関節内に複数ある靭帯の一つで、膝関節の制御に大きな役割を持ちます。本来靭帯は非常に屈強なのですが、加齢や膝蓋(しつがい)骨脱臼などの変形性変化があらかじめ生じているときには、少し力が加わっただけで断裂してしまうといわれています。
例えば、走っていて急ブレーキで止まろうとしたとき、段差を飛び跳ねているときなどが、断裂がよく起こるタイミングです。部分断裂から完全断裂まで程度はありますが、触診で骨のずれを診て靭帯の強度を確認することで分かることが多いです。また、お座りの姿勢がつらいことが多いため、その姿勢がうまく取れず足が外に流れてしまう子は断裂を強く疑います。
治療は、サプリメントや薬を使う保存療法や根本治療である外科療法となりますが、年齢や全身状態を把握して選択します。歩様が十分に安定するまでに数か月という長い時間が必要となるため、ケアを継続していくことが重要です。
(2023年7月執筆)