ドライアイ
ペット
「ドライアイ」という言葉は、人である我々にはなじみのある用語だと思います。また、犬や猫でもよく見られる疾患です。
ドライアイとは、大きくまとめると涙のトラブルです。涙は、外層の油性層、厚い中間の漿液層、内層の粘液層の3つの異なる液成分によって眼球の乾燥を防ぎ、瞬きにより常にごみなどを洗い流して外界からのバリアの役目を果たしています。細菌感染や免疫介在性などにより涙を作る細胞が障害され、涙の量が減ったり涙を目の表面で維持するムチンの働きが低下したりすると、乾燥のために炎症が起き、炎症を中心に角結膜上皮の状態悪化を招きます。
急性から慢性まで状態はさまざまですが、角膜上皮に損傷があると痛みが生じるために目をショボショボさせたり、重篤化すると穿孔を引き起こしたりすることもあります。これらの症状は数日で急速に進むので、違和感を覚えたらできるだけ速やかに病院で診察する必要があります。
(2022年12月執筆)