誤食してしまったときに(2)
ペット 診療のこと
今回は具体的に状況を考えてみましょう。骨を飲み込んでしまった場合、それがよく加熱してあり、かみ砕いて飲み込んだなら胃酸で溶けます。そのため、異物として除去するよりも消化した方がリスクが低いと判断できれば、本人の体調に変わりないことが前提ですが、経過観察をすすめることがあります。催吐処置や内視鏡処置で硬くて鋭利なものを出そうとすると、食道を傷つける可能性があるので慎重に判断します。
布製品や紐のおもちゃ、ビニールをバラバラにして飲み込んだ場合、便として排泄される可能性が高いですが、消化されることはありませんので、多量に飲み込んだり細長くなってしまったりしたときは催吐処置や開腹手術が必要なこともあります。画像検査で直接的に描写することは困難ですので、やはり問診が非常に重要です。
剃刀や硬貨などの金属の場合はレントゲン検査で鮮明に状況が分かるので、速やかに病院に行きましょう。
(2022年1月執筆)