胆嚢疾患(2)
ペット 胸部・腹部
今回は、胆嚢疾患が分かった場合の方針について少し具体的に話そうかと思います。軽度の場合、臨床症状が出ないことが多いので、利胆剤などで胆汁の分泌を促進させ、胆管を少し広げることで胆汁の流れをスムーズにしながら維持します。また、胆泥はコレステロールが材料と言われているので、食事を低脂肪食にすることも重要です。これらの対策で生涯こじらせずに済むこともあります。
一方で重度の場合、食欲の低下や腹部疼痛、嘔吐や黄疸の症状があれば分かりますが、血液検査やエコーで初めて分かることもあります。この際、胆嚢のダメージが大きいと胆嚢が破れて胆汁が腹腔内に漏れ出す「胆嚢破裂」という状態になってしまい、内科だけではどうにもならず外科治療が必須になってしまうこともあります。
軽度から重度に移行していく時期の予測は個体差や治療によるので、判断が非常に難しく、こまめな定期検査が重要です。
(2021年9月執筆)