多飲多尿(2)
ペット
前回は多飲多尿という状態について意識してもらい、体内の水分調節のバランスが取れていないということをお話しました。今回は、少し具体的なお話をしようと思います。
病的に多飲多尿を惹起する原因はさまざまですが、腎臓、ホルモン、感染症などが原因として多くを占めます。腎臓は尿を生成する場であり、血圧のコントロールにも重要で、トラブルが起きると、血液の濾過と再吸収がうまくできずに、水分バランスがとれなくなります。また、ホルモンの病気には糖尿病、副腎皮質機能亢進症があり、前者は高血糖により浸透圧が上昇して多くの水分を必要とし、後者は糖質コルチコイドの過剰により利尿作用が生じます。感染症としては子宮蓄膿症が代表的で、子宮に菌が増殖しその毒素が全身あるいは腎臓に障害をもたらします。
このように、さまざまな理由があるので他の検査も含め、総合的に原因を絞り込んでいくのです。
(2019年7月執筆)