嘔吐について
ペット 診療のこと
嘔吐とは、脳の嘔吐中枢が、胃・消化管の刺激、血液中の化学物質、平衡感覚の乱れなどにより刺激されることによって起こる反射運動です。つまり、さまざまな原因による刺激が脳に伝わると気持ち悪いと感じ、吐くという動作をとってしまうのです。食べすぎや乗り物酔いのように自然と治癒してしまうものもありますが、多量で頻回の場合には、水分と電解質の不足により全身状態が悪化することもあります。
吐いた後ぐったりしたり、食欲がかなり落ちているときは重篤な場合があります。原因の特定には普段の生活の情報が非常に重要なので、生活環境や家族環境の変化、食事や飲んでいる薬の詳細な情報、他の症状はあるか、いつ・何回・何を吐いたのか、などをよく覚えておき病院を受診しましょう。原因の特定とその対処は極めて重要ですが、絶食や水分補給、制吐剤の投与などといった対症療法も非常に有効です。
(2019年1月執筆)