下痢ってどんな便?
ペット 診療のこと
便のトラブルは、部屋を汚したり、見た目で明らかな異常が分かるので気になる人が多いと思います。下痢は見た目だけでも、形を保てる軟便、形を維持できない泥状の便、ほぼ液体の水様便などがあり、色では赤い血液が付いた鮮血便、黒いタール様の便など、かなり細かく分類することができます。また、見た目以外にも便の量、回数、しぶりがあるかどうかなどは下痢を考える際に必要な情報です。もちろん肉眼レベルだけではなく便を顕微鏡で観察することも必要です。下痢は消化不良、細菌、寄生虫などさまざまな原因によって引き起こされるので、これらの情報をもとに原因やペットの状況を把握し、それに合った治療をすることが重要です。
例えば、下痢による脱水には輸液療法、腸内の細菌バランスが異常であれば抗生剤やプロバイオティクス、腸の粘膜保護や運動機能を改善するのに整腸剤を使用することがあります。
(2018年12月執筆)