犬の僧帽弁閉鎖不全症
ペット 胸部・腹部 診療のこと
犬の心臓病は、心臓にある僧帽弁という弁がきれいに閉鎖することができなくなる僧帽弁閉鎖不全症が最も多いです。初期の状態では症状がないこともあり、健康診断などで心雑音を聴取され見つかることもあります。進行すると夜中の咳や運動不耐性、肺にうっ血が起き、全身の血液の巡りが悪くなると、肺水腫を伴う頻呼吸、開口呼吸、場合によってはチアノーゼを引き起こしている場合もあります。
一般的には、5~6歳から徐々に進行しますので、定期的にレントゲンや心電図、超音波などで、心臓・全身状態を診て、その時々に合った薬で進行を抑えコントロールしていきます。病気を診断したら日々の生活の中では、興奮をさせない、高温多湿を避ける、塩分の含まない食事にすることなどが重要です。根治は難しいですが、初期の段階でコントロールが得られると、薬を継続することで何年も元気な生活が送れます。
(2018年9月執筆)