血液検査で見る肝臓
血液・血管 診療のこと
健康診断などで肝酵素活性を用いて評価します。ALT(GPT)、AST(GOT)、ALP、GGT(y-GPT)の4つが代表的です。肝臓は腹部の臓器の中で一番大きく、その仕事内容もさまざまです。主な仕事は消化管で吸収した栄養の代謝、毒素の解毒、それに胆汁の生産と分泌などがあります。
肝細胞に特異的に含まれる酵素にALT(犬34〜120)とAST(犬17〜45)があり、正常でも上記程度壊れている(代謝されている)、つまり肝障害や毒によって多くの肝細胞が壊れると、数値が高くなり肝臓がどのくらいダメージを受けているか分かります。しかし肝機能の評価は不十分で、評価するには食前・食後の総胆汁酸やアンモニアの測定と他の数値の動向を予測します。本当に肝臓が悪くなると、TPやAlb、BUNが下がり、TIBilが上がります。このような状態の時には黄疸や腹水が見られます。
(2017年5月執筆)