
好酸球性肉芽腫群
ペット 皮膚
好酸球性肉芽腫群とは、局所的に好酸球浸潤を認める病態の総称で特異的な疾患という訳ではありませんが、ここでは代表して皮膚など目に見えやすいところにできるものを中心に話そうと思います。
好酸球性局面は猫で多く見られる皮膚病変です。腹部や大腿部を中心に強いかゆみが生じてずっとなめ続けます。薄皮がむけたように赤く湿っていて、境界が明瞭であることが特徴です。また、似たような見た目のものが上口唇にできることもありますが、これは無痛性潰瘍と呼ばれ、当の猫は全然気にしません。発症要因は不明と言われていますが、アレルギーの関与などが示唆されています。この疾患の厄介なところは、要因の除去が困難な場合、薬の強度が高くないとコントロールが難しく、しばしば再発し治療が長期化する恐れがあることです。漫然と薬を使い続けると副作用が出てしまうので、治療選択・計画をしっかり話し合いましょう。
(2025年6月執筆)
