血液検査で見る腎臓病
ペット 胸部・腹部
腎臓の評価は糸球体濾過率が最も正確な指標となります。腎臓は尿毒を尿として排泄することも大事なことですが、その他に水分保持や排泄を調節しています。また、ミネラルのバランスの維持、貧血に反応してエリスロポエチンと言う造血ホルモンを分泌します。
血液中のBUN犬9〜30、猫15〜33㎎/dl(尿素窒素)の測定や、クレアチニン(犬0.5〜1.4、猫0.8〜2.1㎎/dl)で評価しています。最近ではSDMA(0〜14 µg/dl)という腎機能のバイオマーカーが、糸球体濾過率の優れた指標として検査ができるようになりました。
急性腎不全と慢性腎不全では治療法も異なり見分けが必要となります。臨床症状に加えて、BUN、クレアチニン、脱水や貧血の有無(Ht・TP)、電解質(Na・K・CL)、ミネラルの測定などが評価の対象となります。命に関わる重大な臓器で、治療の継続の必要な病気になることが多くなります。
(2017年9月執筆)