血液検査で見る胃腸病
ペット 胸部・腹部 診療のこと
胃腸疾患は下痢、嘔吐、食欲不振、発熱などの臨床症状で診断することが一般的です。寄生虫やウイルス、細菌感染では便の検査が有効になります。特殊な病気には蛋白漏失性腸症があり、この時に症状はほとんど出さずに血液検査でTP(血清総蛋白)や、ALB(アルブミン)が低値を示すことがあります。同様な検査結果を示すものに蛋白漏失性腎症がありますので鑑別が必要になります。
蛋白漏失性腸症は、炎症性腸症やリンパ性プラズマ性胃腸炎や腸リンパ腫に分かれます。また、特発性のリンパ管拡張症もあります。最初は無症状ですが時々の嘔吐や下痢があり体重減少が見られ、続いて全身のむくみが見られることもあります。
さらには胸水や腹水を見ることもあります。診断には内視鏡検査による病理組織検査が必要になります。難治性なことが多くステロイドや免疫抑制剤などで、コントロールすることが目標です。
(2017年8月執筆)