認知症は異常タンパク蓄積病
診療のこと 頭部・首・肩
昨年末に認知症の新しい薬が登場し話題となりました。認知症の進行を防ぐために脳内に溜まったアミロイドβという異常なタンパクを取り除く薬です。認知症の中で最も多いアルツハイマー病は、このアミロイドβが徐々に脳内に蓄積して発症する病気です。認知症の中にはアミロイドβとは異なったタンパクが蓄積するレビー小体型認知症や前頭側頭葉型認知症などが含まれるため、薬を使用するためにはアミロイドβが原因となっているという専門的診断をしなければなりません。
治療は認知症の早期に始めなければならず、2週間ごとに点滴を行い、1年半継続します。副作用をしっかり監視できるシステムも必要で、まだ治療できる医療機関は限られています。
このように、現状ではハードルが少し高いといわざるを得ませんが、今後に期待しましょう。やはり、物忘れが気になる場合は早めの受診がおすすめです。
(2024年3月執筆)