アジソン病
ペット 診療のこと
アジソン病は、副腎という組織から主に産生されるホルモンが不足することによって起きる疾患です。ホルモンの不足はさまざまな症状を引き起こしますが、食欲不振・嘔吐・下痢血便・徐脈・乏尿など非特異的な症状ばかりであるため、しっかりと血液検査などを行わないと診断が難しいこともあります。
厄介なことは、好不調の波を伴いながらゆっくりと進行するにも関わらず、ストレスが加わるとアジソンクリーゼというショック症状に陥り、緊急治療が必要になることです。緊急時は、生理食塩水などの点滴による入院治療と並行して他の病気を鑑別します。他に大きな病気がなく、容体が安定すれば、ホルモンを飲み薬で補充して維持します。
適切な量で維持できれば予後は良いですが、若くして発症することが多い病気なので、長期間の治療維持が必要なことが多いです。検査のペースや薬の量は、獣医師としっかり話し合って決めていきましょう。
(2023年9月執筆)