感染力の強い麻疹風疹
予防 感染症
先日都内ではしか(麻疹)の感染者が出たことがニュースになりました。麻疹風疹は感染力の強いウイルス感染症で、特に麻疹は免疫を持たない人が廊下ですれ違っただけで感染するといわれています。一番の予防はワクチン接種により免疫を獲得することです。
感染力の強さを示す指標に基本再生産数(R0)があり、インフルエンザのR0が1〜2なのに対して麻疹12〜18、風疹6〜7、おたふく4〜7、水痘10〜12です。麻疹は10日前後の潜伏期を経て38度以上に発熱、一度解熱した後、発疹とともに高熱となり(二峰性発熱)、口の中の頬内側にコプリック斑というつぶつぶが現れます。風疹は2〜3週間の潜伏期を経て発熱、リンパ節腫脹、体全体に広がる小さな発疹が出現します。妊娠20週までに抗体を持たない妊婦が感染すると先天異常の危険が高くなります。
麻疹風疹は感染力が強いウイルスであるため、心配な人は一度抗体検査を受けてみてはどうでしょうか。
(2023年5月執筆)