結膜弛緩症
目 診療のこと
年齢が上がると、結膜(白眼の膜)が緩んできて、眼球とまぶたの間の隙間が減ってくることがあります。これを結膜弛緩症と呼んでいます。本来ならば、眼球と結膜の間のくぼみは涙がたまるスペースなのですが、緩んだ結膜によりこのくぼみがなくなると、その上に涙がたまってしまいます。また、涙の排出経路である涙点を緩んだ結膜がふさいでしまうことにより、正常な涙の排出がされなくなり、余計に涙がたまるようになります。
一方、眼の表面には常に微量の涙が分泌されていて、眼はその涙の層で覆われているのですが、もともとドライアイの傾向がある場合は、弛緩した結膜により分泌された涙が眼の表面を覆うのを邪魔してしまうため、ドライアイが悪化することもあります。
根本的な治療としては、手術により余った結膜の切除や緩んだ結膜を眼球に縫い付ける方法となりますが、点眼により多少症状が改善することもあります。
(2023年2月執筆)