神経を取った歯の約7割が再治療になる
口・歯 診療のこと
なぜ高確率で再治療になるのかというと、健康な状態の歯は内部が血液で満たされていますが、歯を削り神経を取ると内部の圧力均衡が崩れるだけでなく、そのときに菌が落ち込みやすい状況になるからです。歯科医師はこうならないために器具の滅菌に始まりゴムシートを使用したり、バキュームで吸ったり、口腔外バキュームやエアークリーナーで空気清浄をしたりして感染予防に努めていますが、100%感染を防ぐことはできません。
削る際にうがいをするなどして削った穴に唾液が入るかもしれないこと、後日の治療までに歯が欠けるかもしれないこと、仮封剤が取れるかもしれないことなどの理由により、感染の可能性が高くなります。感染直後は、それまでの痛みが勝っているので一時的に楽になりますが、数年後には抜歯を含む再治療になる可能性が約70%と高くなります。
ですから神経を取ること(抜髄)をしてはならないのです。
(2022年12月執筆)