しっかり「かめる」ことの大切さ
口・歯 診療のこと
体にとって、お口は栄養を取り込む入口です。子どもの頃から「よくかんで食べなさい」と言われた人も多くいらっしゃいます。「よくかむこと」は健康づくりの基本であり、私たちにとって想像以上の良い効果が得られます。
1つ目は「消化を助ける効果」です。かむことで唾液に含まれた消化酵素と混ざり合い、消化を助けるとともに嚥下(飲み込むこと)もスムーズになり、誤嚥性肺炎といった病気を防ぐことにつながります。2つ目は「浄化作用」です。お口の中にはたくさんの細菌がいます。かむことで唾液の分泌が活発になり細菌の温床になることを防ぎます。これは虫歯や歯周病の予防にもつながります。3つ目は「脳の活性化」です。かむことの刺激が脳の活性化につながることはご存じの方も多いでしょう。食事を楽しむことで脳はさらに活発化します。
しっかり食べ物をかむためには、健康な歯が大切です。虫歯や歯周病などで歯や歯茎に不安がある、義歯が合わない場合は当然かむ力が弱くなってしまいます。義歯が合わない状況が続いている人は一度、インプラント治療を考えてみてはいかがでしょうか。人工歯根をあごの骨に埋没させて義歯で固定するので、自分の歯のように「かむ」ことが可能です。ただし、インプラント治療は自費治療であり口腔手術を伴うので時間も必要です。信頼できる歯科医院で、正しい情報を得て検討してください。
(2022年5月執筆)