なぜ抜髄をしてはいけないのか?
口・歯 診療のこと
抜髄(神経を取る医療行為)は極力行うべきではないことを、ほぼ全員の歯科医師が知っています。しかしながら、実際には多くの患者が神経を取られています。ひどい患者になるとほぼ全部の歯の神経を取られており、再治療を繰り返した挙句に保存不能になることも少なくありません。
抜髄をするときに大きく削ることで、外側にいた菌が100%体内に入ります。そのため再治療になってしまうのです。取った直後はしみる症状が治るので楽になるのですが、落ち込んだ菌は時間をかけて少しずつ勢力を広げていきます。体が持っている抵抗力を越えてしまうと根の病気になり、神経を取った影響で痛みが出るのです。抜髄をしてはいけないというのはこういう理由です。
さらに、その病巣が広がると歯を支えている歯根膜、顎骨がなくなり腫れを繰り返し、最悪は自然に抜けます。当院では3MIX-MP法(R)で治療しており抜髄をしないようにしています。
(2021年12月執筆)