特殊な型の食物アレルギー
アレルギー
本来であれば即時型の原因となるIgE抗体が関係するにも関わらず、数時間から数日経過してから蕁麻疹やアナフィラキシーが出現する遅発性の食物アレルギーがあります。
納豆アレルギーは納豆摂取後に症状が誘発されますが、大豆や納豆菌由来ではなく、納豆の粘稠物質であるPGA(ポリグルタミン酸)という物質が原因となります。PGAは分子量が大きいので、腸管内でゆっくりと分解・吸収されるため、症状が発現するのに数時間から数日掛かると考えられています。患者にはサーファーが多く、海でクラゲに刺されたことと関係があります。クラゲは毒針を刺すときにPGAを産生するため、繰り返し刺された人にPGAに対する抗体ができると考えられています。
獣肉アレルギーは、牛や豚などの哺乳類の肉を摂取した後、数時間から半日後に症状が出現します。過去にマダニにかまれたことと関係があります。
(2021年9月執筆)