肺だけの高血圧もあります
成人 胸部・腹部 血液・血管
最近は呼吸が苦しいと新型コロナウイルスへの感染を心配してしまいますが、呼吸が苦しくなる病気は他にもたくさんあります。例えばその一つが「肺高血圧症」という病気で、肺の血管の血圧が上がってしまうものです。肺高血圧になると肺に行く血液が減ってしまうため、酸素を効率よく取り込めなくなります。そのため息切れや動悸、倦怠感などを感じやすくなったり、進行すると失神を繰り返したりすることもあります。
肺高血圧になる原因には、明確な理由がなく勝手に肺の血管が傷んでしまうタイプや、心臓病や膠原病などが元になるタイプ、血管に血液の固まりが詰まって起こるタイプなどさまざまで、それぞれ治療法が異なるため適切に診断する必要があります。最近は新しい治療薬も次々に開発され、以前よりは治療しやすくなってきています。持続する息切れなど気になる症状がある場合は、主治医に相談してみましょう。
(2021年4月執筆)