歯を抜いたり抜髄をしたりしてはいけない(2)
口・歯
永久歯は抜くと二度と生えてはきません。たとえば、右上を一つ喪失すると右側の咀嚼能力が落ち、どうしても左側でかむようになります。その結果、左側の負担が増大し、歯の擦り減りや破折、かみ合わせ異常などになることがあります。すると、左側の処置が必要となり、他の歯を喪失することにもなりかねません。歯は奥歯と前歯で形や根の数が違い、役割が違うので、安易に抜いてはいけないのです。
しっかりと診察ができれば、抜歯になる症例はあまりありません。当院にはよく抜歯の回避を希望する患者さんが来られますが、症状の多くは腫れを繰り返す、破折、根の膿が大きいなどです。これらはほぼ治ります。なぜなら歯は病気になっているだけで、死亡はしていないからです。医者は死亡した人を生き返らすことはできません。病気の患者を治すことが仕事です。当院では歯を極力削らない3MIX-MP法(R)を中心とした診療で抜歯、抜随を回避しています。
(2020年10月執筆)