スキンケアによるFAの発症予防
アレルギー
乳児期のアトピー性皮膚炎(AD)と食物アレルギー(FA)は、高率に合併することが知られています。そのため、妊娠中の食物制限や離乳食の開始時期、アレルゲンになりそうな食品の摂取を遅らせるなどの対策がとられたことがありますが、予防効果はありませんでした。現在では湿疹(炎症)により皮膚のバリア機能が低下すると食物アレルゲンの経皮感作が起こりやすくなり、結果として食物アレルギーが発症するという考え方が定着しています。
英米共同チームは、アレルギー疾患の家族歴のある新生児に生後3週間以内に保湿剤を塗布することで、生後半年の時点でのADの発症率を約半分に抑制できたと報告しました。日本でも、生後早期からのスキンケアによりADの発症が約半分になるという報告がなされています。さらにもう一つのFA予防のポイントは、離乳食の中身と開始時期を検討することです。
(2020年3月執筆)