歯は割れていても治せる
口・歯 診療のこと
「割れているから治せない。割れているから抜歯しかできない」。当院には、こう説明を受けた患者さんが多数来られます。実物を確認しないと正確なことは申し上げられませんが、ほとんどの症例は治せます。怪我や外傷でも神経がしっかりしている場合は、固定すれば付くことがあります。神経を取られている場合は、再植術(一時的に取り出して歯の割れ目を修復し数分で戻す)で治すことができます。
では、治せない症例とはどのような場合かというと、(1)割れた歯の一部分が無い (2)バラバラで5つ以上に割れている (3)割れた歯の周辺組織の炎症が強く、歯周病も重篤 (4)放置期間が長く歯が溶けてしまい残った部分が3ミリ以下、などで、抜歯の症例は極めて少ないのです。歯は神経を取られると機能を失い、その内30%程度は症状が出ませんが、内部は100%感染しています。内部は空洞になっているので割れやすいのです。まず神経を取らないようにすることが大切だと思っています。
(2020年1月執筆)