大動脈瘤は偶然に見つかる
血液・血管 診療のこと
大動脈は心臓からヘソの奥までつながる直径約3cmもある太い血管で、心臓や脳、内臓などへの大切な血管が枝分かれしています。この大動脈の一部が太くなったり、お餅が膨らむようにコブができたりするのが大動脈瘤(りゅう)です。血管の膨らんだ箇所は破裂しやすくなり、大動脈が破裂すると命に関わる危険な状態になります。
大動脈瘤の治療法は形や大きさなどにより異なり、降圧薬などの内服で様子を見たり、ステントという金属の筒を入れたり、人工血管に取り換える手術をしたりします。最大の問題はほとんどの大動脈瘤が破裂するまで症状がないことです。破裂する前に見つかる大動脈瘤の多くは、他の目的でCTなどの検査をしたときに偶然に見つかることがほとんどです。
大動脈瘤ができる原因のほとんどは動脈硬化ですので、高血圧などの動脈硬化になりやすい持病がある人は、一度検査を受けてみると良いでしょう。
(2019年7月執筆)