自分の歯でいつまでも食事を楽しむために
シニア 口・歯
厚生労働省が行った歯科疾患実態調査(2011年)によると、年齢が高くなるにしたがい歯の喪失率は高くなり、75歳以上の平均値は13.32本という報告でした。1975年のデータを見ると同じ75歳以上の平均値が約4.8本なので、大きく改善されたのがわかります。また、何らかの義歯(インプラント、ブリッジ、部分入れ歯、総入れ歯)を使っている人も年齢とともに割合は高くなり、後期高齢者では89%に達することが報告されています。歯の喪失が進むにつれてブリッジ→部分入れ歯→総入れ歯と大きな義歯を使う割合も増えており、自分の歯を残していくために、定期的なお口のメンテナンスとともに自分に合った義歯を使い、今ある歯を守ることが大切です。
現在では、より正確で一人ひとりに合った義歯を作るため、歯科用CAD/CAMによる計測と製作を行う医院が増えています。これは、自分にぴったりの義歯を作る最新の方法です。精度の高い義歯はしっかりかむことができ、他の歯の負担を減らすことにつながります。その結果、ご自身の今ある歯を守ることにもなるのです。また、短時間で義歯を製作できるので患者様の治療にかかる時間を短縮することもできます。「年齢とともに歯を失うのは仕方のないこと」ではなく、「今ある歯をいつまでも残していく」ために、私たちと一緒にお口の健康を守っていきましょう。
(2019年6月執筆)