症状からみる病気(3)〜よだれ (流涎)〜
ペット 診療のこと
「うちの子は『おやつ』と言っただけで、すぐよだれを垂らすんです」という話をよく聞きます。よだれ(唾液)の分泌に関しては、脳が司令を出して行います。よだれには、抗菌作用・粘膜の潤滑・消化を助ける働きがあり、常に分泌されることは正常な状態です。
犬は呼吸による蒸散で体温調節をするため口を開けている時間が長く、猫よりもよだれを垂らすことが多くあります。しかし、過剰なよだれ・強い粘り気や悪臭を持ったよだれは、病気のサインかもしれません。口腔内や脳神経の異常・誤飲や消化器疾患・熱中症・中毒や内臓機能の低下などでも、よだれは多く見られます。
また、直接関係がないと思われがちですが、脳神経の異常によるよだれは、目の動きや口角の角度にも変化が現れることがあります。特に、猫でよだれの症状が見られたときは、不調の可能性が高いので注意が必要です。いつもと違うよだれが続く場合は、動物病院に相談してください。
(2019年3月執筆)