ちょっと変わった狭心症
胸部・腹部 診療のこと
狭心症は心臓に栄養や酸素を送る「冠動脈(かんどうみゃく)」という血管が何らかの原因で細くなり、心臓の血流が不足するために起きます。症状は胸の真ん中の痛みや圧迫感で、顎や左肩にも痛みを伴うこともあります。
狭心症の多くは歩行時や階段を上るなどの労作時に症状が出ますが、安静時に症状が出る「冠れんしゅく性狭心症」という変わった狭心症もあります。これは冠動脈がケイレンして一時的に細くなることが原因で、前触れなく突然症状が出ます。
普通の狭心症は労作を中断し安静にすれば治まりますが、冠れんしゅく性の場合は自然に治るのをただ待たなければなりません。冠れんしゅく性の症状は夜間や明け方に多く見られ、胸の痛みで目を覚ます人もいます。また冠れんしゅく性は症状が強くなったり、危険な不整脈の原因となったりすることもあります。疑わしい症状がある場合は医師に相談してください。
(2018年1月執筆)