血液検査で見る甲状腺
ペット 診療のこと
甲状腺は副腎と同様にホルモンを分泌する器官です。犬では甲状腺機能減退症、猫では甲状腺機能亢進症がよく知られています。
甲状腺ホルモンは代謝を高めるホルモンで、減退症では代謝が落ちるので左右対称性の炎症のない脱毛や食事の量を増やしてないのに太る、やたらと寒がる、さらに進むと粘液水腫と言って泣いているような顔になります。亢進症では代謝が活発になるのでたくさん食べているのに痩せてくる、じっとしていられないなどの症状があります。
甲状腺ホルモンを評価するためにはサイロキシン(T4)や、遊離サイロキシン(fT4)とトリヨウドサイロキシン(T3)があります。しかし日内変動やストレス、他の疾患などで数値が変動するため、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)を同時に測定して甲状腺機能の評価を行います。いずれも薬によりコントロールできる病気です。
(2017年11月執筆)