病気と検査(4)~顕微鏡検査獣医科
ペット 診療のこと
糞便検査において、顕微鏡検査では肉眼では見ることのできない「細菌」や「寄生虫の卵」、「原虫」を検出します。検査方法は、「直接法」と「浮遊法」があり、直接法では主に細菌を、浮遊法では原虫(小さな寄生虫)や寄生虫の卵を検査します。
直接法では球菌・桿菌(かんきん)・螺旋菌(らせんきん)・芽胞菌(がほうきん)などを確認します。また、ジアルジアやトリコモナスなどの原虫も直接検出できます。浮遊法で検査する主な消化管内の寄生虫は、回虫・条虫・鉤虫(こうちゅう)・鞭虫(べんちゅう)・コクシジウム・糞線虫・トキソプラズマなどがいて、寄生により軟便や下痢、血便の症状が見られます。
検査は少量の新鮮な糞便があれば行えます。すべてに有効な虫下しはありません。検査の結果、寄生虫が発見されたときに、その寄生虫を退治できる虫下しを投与しましょう。
(2016年1月執筆)