病気と検査(3)~糞便検査
ペット 胸部・腹部
糞便検査は、下痢などの腸疾患の診断にとって有益な検査です。肉眼検査・顕微鏡検査・培養検査・免疫学的検査・遺伝子検査など、さまざまな種類の糞便検査があります。特に病院内でよく行われるのは肉眼検査と顕微鏡検査です。顕微鏡検査では消化管内寄生虫や病原性微生物を検出することが目的です。肉眼検査では主に下痢が小腸性か大腸性かを判定するのに重要です。糞便量・硬さ・色・臭気・粘液付着の有無・異物の有無・寄生虫などを肉眼で確認します。
例えば、便の量が増えているときは小腸性の下痢を疑いますが、便の回数が増えていたり、便に粘液が付着しているときは大腸性の下痢が疑われます。糞便の色も診断に役立ちます。暗赤色(胃や小腸からの出血)、赤色(大腸からの出血)、白色(胆管閉塞)など、便の色によって病変がどの場所にあるか推測することができます。次回は、顕微鏡検査について紹介します。
(2015年12月執筆)