しっかり「かめること」を諦めない
口・歯 診療のこと
子どもの頃に「よくかんで食べなさい」と言われた人は多いと思います。食べ物をよくかんで唾液と共に飲み込むことで、胃腸の働きを助け、誤嚥(ごえん)を防ぐことにつながります。さらに唾液の分泌を促し、その自浄作用によってお口の健康を助けます。
他にも、「かむこと」は脳への刺激につながり、注意力や集中力などが高く保たれる可能性があり、認知症の予防も期待できます。立ち上がるときや重い荷物を持ち上げるときも歯をグッとかみしめることで力が入り、ちょっとつまずいたときでも、しっかりかめることで転倒予防になるのです。
歯でしっかり「かめること」は日常生活においてとても大切です。虫歯や歯周病によって歯がボロボロでしっかりかめなかったり、歯を失ったままでは、健やかに毎日を過ごすことができません。歯科の治療法は日進月歩で進んでいます。一人ひとりに合った治療法が見つかる可能性はとても高いと感じています。
インプラント治療においても同じで、1本のインプラントに1本の固定式義歯を付ける方法や、片顎全体を4本のインプラントで支える「All-On-4」という方法、All-On-4治療ができない人向けには「ザイゴマ(頬骨)インプラント」という治療法もあります。しっかり「かめること」を取り戻せる可能性は十分あります。諦めずに相談してください。
(2024年2月執筆)