胃酸が咳の原因?
熱・咳・寒気 診療のこと
3週間以上咳が続くことを慢性咳嗽(がいそう)と呼びますが、その原因にはいろいろなものがあります。中でも意外に多いのが逆流性食道炎です。逆流性食道炎とは胃酸が食道に逆流することにより、酸に弱い食道の粘膜が炎症を起こした状態です。
症状は主に、胸焼けや酸が上がってくる感じ、食べ物がつかえる感じなどで、それ以外で咳はよく見られる症状の一つです。胃酸は食事をすると多く分泌されるので、症状は食後数時間に出やすくなります。また、寝た状態の方が胃から食道に胃酸が逆流しやすくなるので、就寝中も症状が出やすくなります。咳は逆流した胃酸が気管の入り口付近を刺激するために起こるので、咳止めの薬だけを服用しても、なかなか良くなりません。
治療は胃酸の分泌を抑える薬を服用することですが、改善するまでに2週間以上かかることもあるため、しばらくは継続して薬を飲む必要があります。
(2023年4月執筆)