けがが治るまで (2)
ペット 診療のこと
傷口の処理がある程度終わると、今度は傷口が閉じるための動きを始めます。血が出ていたところには毛細血管が伸びており、そこから肉芽組織が出現し傷口を埋め始めます。この肉は感染させないための防護壁となり、傷口を小さくするために重要な役割があります。
このとき、傷口が大きく、肉の組織同士の距離が離れ過ぎていると、うまく結合できずに閉じることが困難になることがあります。それを防ぐために、糸を使って傷口を縫合するのですが、傷口の状態が悪いまま、ただ縫い付けると、膿を外に排泄できずに逆に状態が悪くなることもあります。
動物の場合、人と異なり毛が絡まって傷口をふさいでしまうことも多く、毛には雑菌がいるために汚い状況で傷口をふさいでしまい、なかなか治りません。傷口が大きい場合は特に、きちんと毛を刈り、傷口を洗浄することが非常に重要となるので、一度診てもらうと良いでしょう。
(2022年8月執筆)