抜歯と自然脱落歯は同じではない
口・歯 診療のこと
抜歯も自然脱落歯も歯の喪失という意味では同じですが、実は全く違っています。抜歯は生きている歯、自然脱落歯は亡くなっている歯になります。自然脱落歯は(1)乳歯の生え替わり、(2)重度歯周病、(3)咬合の狂い、(4)根尖病巣の拡大などで起こります。
(1)は先天性欠損がなければ新しい永久歯が生えてきます。(2)は重度にならないように日頃からのブラッシング、定期的な歯科医院でのスケーリングでプラークコントロールすることが必要です。(3)は咬合調整、(4)は神経治療を回避することで自然脱落歯にならないようにできます。
世界に名だたる名医でも、亡くなった人や臓器を生き返らせることはできません。自然脱落歯にならないように、歯科医院では神経治療や抜歯だけでなく極力歯を削らないようにし、定期的なスケーリングだけを受けるようにするべきだと考えます。C1程度では削らない方がいいと思います。当院はこれを実践しています。
(2022年5月執筆)