不要不急ごとではない、歯科健診
口・歯
新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言が解除されましたが、第2波、第3波に備え多くの人が警戒心を怠らないように日々過ごしています。それは大切なことですが、必要な外出まで制限している人も多いようです。その一つがお口の健康を維持するために必要な「歯科健診」です。「歯科医療現場はリスクが高い」という情報は患者様側のリスクが高いのではなく歯科医療従事者側のことなのですが、イメージが膨らみ外出自粛に歯科治療が拡大解釈されてしまったのではないでしょうか。実際の歯科医療現場はマスク、ゴーグル、使い捨ての手袋を標準の予防対策として徹底しており、もともと高水準の感染予防対策がされています。それに加えてスタッフの検温の実施、待合室における「密」の回避、徹底したアルコール消毒、換気、治療時の切削器具の使用を最小限にとどめるなどさらに高い予防策を行っています。その対策により歯科治療を通じての新型コロナウイルス感染は6月上旬時点で報告例はありません。
コロナ感染予防の外出自粛による「歯科ばなれ」はお口の健康の悪化にとどまりません。歯周病やむし歯は自然に治るものではなく、定期的な歯科健診と正しいセルフケアで予防はできても、放置すれば悪化してしまい多くの病気の危険因子になってしまいます。記憶が残る阪神淡路大震災の時は避難生活を余儀なくされ、お口の健康管理が滞り、誤嚥性肺炎で命を落とした人もおられました。Withコロナ時期はしばらく続きそうですが、引き続き感染予防のためのうがい、手洗い、マスクとともにお口のセルフケアとプロケアを実践し、ご自身の健康を守りましょう。
(2020年6月執筆)