尿検査でわかること
ペット 診療のこと
尿は血液から腎臓を介して濾過され、膀胱に溜まり排泄されます。これら尿に関わるものは泌尿器と呼ばれ、尿は泌尿器はもちろん、もとが血液ということもあり、泌尿器以外の情報も反映することがあります。
例えば、尿比重は尿を濃縮する能力が腎臓にあるか評価し、尿が酸性・中性・アルカリ性のどれか測ることで結石のリスクを評価します。また、本来尿に検出されないはずの尿蛋白・潜血・尿糖・ケトン体・亜硝酸などが検出されたときは測定された項目に沿った理由があるはずで、膀胱炎や糖尿病などの病気からきている可能性もあります。また、ビリルビンは犬では正常でも少し出ることがありますが、肝障害や溶血性疾患では非常に多く検出されます。
さらに尿を遠心しその沈渣を顕微鏡で見て、結晶や細菌や赤血球や白血球、円柱などを眼で観察します。物言わぬ動物の検査において、尿は大きな情報源なのです。
(2018年11月執筆)