本当は難しい抑うつの見立てと治療
心・精神 診療のこと
社会のゆとりが貧しくなっている中、心が疲労し、活力が失われるのが『抑うつ』です。症状は「ゆううつ・おっくう・イライラ・体の症状」がさまざまに混ざり合います。「ゆううつ」…気が沈む・悲観的になって悪い方に考える。「おっくう」…やる気が起きない・体がだるい・頭が動かない。「イライラ」…焦っていてじっとしていられない。「体の症状」…良い睡眠が取れない・食欲がない・頭痛・動悸がするなどです。抑うつがこじれると死にたい、消えたいなど考えることがあるので、早目の専門医の受診をおすすめします。
抑うつは、さまざまなタイプがあるので治療法は異なります。長年改善しなかった症状でも、診断と処方を変えてみると改善されることもあります。治療者は患者さんの「ひととなり」を感じとり、その人の悩みの深くて微妙なところに耳を傾け、一緒に相談しながら、適切な治療を進めていきます。
(2015年8月執筆)