ビールと脱水症
シニア 季節の注意 成人
夏、たっぷりと汗をかいた後のビール、のど越しさわやかな爽快感がたまらない。そう感じる人も多いと思います。しかしそこには危険が潜んでいます。脱水状態の体でビールを飲むと更に脱水が進行するのです。ビールに限らず吸収されたアルコールは抗利尿ホルモンの分泌を抑え尿量が増します。同時にアルコールは体中をめぐり、細胞内の水分を血中に引き込み脱水にします。お酒の中でもビールにはカリウムが多く含まれるため更に利尿効果が強いのです。その結果、飲んだビールの量以上の水分が尿になってしまうこともあります。高齢になると体内の水分量が減少しており、汗をかいて脱水傾向になったところに、更にビールで追い打ちをかけると、脱水症から脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性さえあります。汗をかいた後はビールを飲む前に充分な水分補給をして、脱水状態を解消しておく必要があるのです。
(2016年8月執筆)