モーニングサージ
血液・血管
高血圧の初期には特定の時間だけ血圧が高く、進行すると一日中高くなることが分かっています。その中でも朝、目覚める前に交感神経の働きが亢進して急激に血圧が上昇するパターンが多く、これをモーニングサージと呼びます。一般に眠ると血圧は低くなり、目覚める前から起床後1時間程度は多少血圧が上昇しますが、中には50以上も異常に高くなる人がいます。一方、高血圧には血管内皮の障害や細かい血管の狭窄を伴うことが多く、凝固系の変化に副腎ホルモンや交感神経亢進による血圧上昇が加わると、心臓や脳に致命的な梗塞や出血を発症することがあります。実際に心血管や脳の重篤な発作はモーニングサージと一致して多発しています。高血圧は必ずしも徐々に悪くなるものではなく、突然高くなり、そのまま下がらないことも多いので、早朝血圧の高い人は昼正常でも注意をしなければいけません。
(2016年2月執筆)