在宅における睡眠環境について
シニア 診療のこと
高齢者において身体機能レベルが低い場合、行動範囲が狭く、多くの時間を寝室で過ごすことも多くなります。昼寝の時間が長くなり、就寝時間・リズムも不規則になります。眠いときだけベッドで寝るようにして、テレビ・読書などで寝室を使用することはせず、毎朝同じ時刻に起床するといった「認知行動療養」が、「薬物加療」よりも効果的といわれています。
また、リラックスして落ち着くことのできる空間の雰囲気と、入眠時の明るすぎない光と起床時の自然な光、入眠や睡眠を妨げない音環境、心地よく感じられる温度・湿度といった物理的な環境条件を整備することで、寝つきやすく質の良い睡眠を得ることができます。
睡眠中の寝具内の環境は、温度は33度前後、湿度は50%前後が良いとされています。季節ごとに過ごしやすい、心地よいと思える範囲でエアコンなどを活用して、温度・湿度を整えましょう。
(2024年5月執筆)